パンのはなし

包装食パンの表示包装食パンの表示

  1. パンの表示 
  2. 包装食パンの表示 

包装食パンの表示に関する公正競争規約について

公正競争規約とは?

「公正競争規約」とは、過大な景品つき販売や不当な表示を規制する「不当景品類及び不当表示防止法」に基づいて、事業者や事業者団体が、消費者庁の認定を受けて自主的に定めたルールです。

公正競争規約では、包装食パンの表示について主に次のことを定めています。
工場から小売店に出荷して販売されているいわゆる「包装食パン」が対象です。 お店で焼いて、店頭販売する食パンは対象になりません。

1. 必要表示事項の表示

規約に参加する事業者が、必ず表示しなければならない事項です。表示方法としては、決められた様式に従い邦文で、外部から見やすい場所に明りょうに一括して表示することが必要です。

表示事項 表示例
① 品名 食パン
② 原材料名 「小麦粉、砂糖、植物性油脂、パン酵母、食塩」など、製品に占める重量割合の多いものから順に表示。
③ 内容量 「6枚」「8枚」など、枚数で表示。
④ 消費期限 「01.12.1」または「13.12.1」などと表示。
⑤ 保存方法 「直射日光及び高温多湿を避けて保存してください」など、製品の特性に従って表示。
⑥ 原産国名 輸入品のみ表示。国産品は表示を省略することができます。
⑦ 事業者の氏名又は名称及び住所 ○ ○パン株式会社○ ○県△△市✕✕1-23

様式に従い表示することが困難な場合には、記載箇所を表示して他の箇所に表示することができます。

保証内容重量の表示

保証内容重量として1斤を340gとして換算した重量を斤を単位に表示しなければなりません。具体的には、340g以上のものについては、「1斤」と表示しますが、更に重ければ「1.5斤」「2斤」などと表示することができます。340g未満のものについては、「0.9斤」「3/4斤」「半斤」などと表示しなければなりません。また、併せて1斤の内容を理解していただくために、「1斤」の表示の近くに「1斤は340g以上です」などの説明を表示しなければなりません。

保証内容重量とは、包装食パン1個の正味重量を保証することを意味しています。食パンは製品の特性から、どうしても重量にばらつきがでます。そこで、最低重量を保証内容重量として保証しているものです。

2. 特定事項の表示基準

規約に参加する事業者が、一定の基準に従って表示することができる事項です。

特定の原材料の使用を強調する表示

原材料名を商品名に使用したり、特定の原材料の使用を強調する場合の基準は次のとおりです。

原材料 基本配合割合
(小麦粉100に対する重量比)
品名 食パン
原材料名 「小麦粉、砂糖、植物性油脂、パン酵母、食塩」など、製品に占める重量割合の多いものから順に表示。
チーズ 5%以上
ミルク又は牛乳 乳固形分5%以上
(乳脂肪1.35%以上)
蜂蜜 4%以上
レーズン又は
干しぶどう
25%以上

3. 不当表示の禁止

次のような表示は不当表示となります。
 保証内容重量を誤認されるおそれがある表示
 基準に合致しないものに原材料の使用を強調する表示
 「焼きたてパン」などと誤認されるおそれがある表示
 客観的な根拠に基づかない「最高級」、「極上」、「高級」などの表示
 受賞または推奨について誤認されるおそれがある表示

規約の参加者
包装食パンを製造する事業者、輸入して販売する事業者、製造を他の事業者に委託して自己の商標等をつけて販売する事業者です。現在約72社、2団体が参加しています。

対象になる商品
工場から小売店に出荷して販売されるいわゆる「包装食パン」です。焼きたての店頭販売の食パンは対象になりません。

規約の施行機関
規約を適正に運営するための機関として「日本パン公正取引協議会 」が設立されています。

規約違反の調査、措置
会員が規約に違反する疑いのある行為を行ったときには、日本パン公正取引協議会が事実を調査し、必要な措置をとります。

「食パンの1斤」の由来について?

食パンという名称は、明治初期ごろに山型のパンが販売された際、主食用のパンということで名付けられたようです。(パン自体は天文12年頃、ポルトガルから日本に伝来してきたと伝えられています。)当時は、食パンの焼き型は米国や英国から輸入しており、これで作った食パンが一般的に流通していました。この食パンは米国や英国と同様焼き上がり重量が1ポンド以上になるような焼き型であったと思われています。1ポンド(約453グラム)を漢字で表すと「听」(「きん」と読みます。)になりますが、同じ音であるのと「听」の字が使えなくなって「斤」を使うようになったため、我が国の尺貫法の重量単位である「斤」(1斤は600グラム、1斤は16匁、1匁は3.75グラム)と混同されてしまったようです。従って、日本の食パンの1斤は尺貫法の1斤とは直接関係はありません。
現在の食パンが取引される際の呼称として1斤という数え方が一般的なこともあり、「包装食パンの表示に関する公正競争規約」では、食パンの重量を保証内容重量として、1斤を340gとして換算した重量を斤を単位に表示するよう義務付けています。

最終更新日:2014年12月11日